空気線図の構成

空気は乾き空気に水蒸気が混合した湿り空気の状態で存在します。この空気の状態を知るのに便利なものに湿り空気線図(h-x 線図)があります。湿り空気線図とは、湿り空気の熱的性質を1気圧のもとで表したものをいい、通常は「空気線図」と呼ばれ、空調計算に広く利用されています。
では、実際の空気線図からどんな数値が読み取れるのかを見ていきましょう。

湿り空気線図

※ gifアニメーションを使用しているため、読み込みに多少時間がかかる場合があります

空気線図上から読み取れる空気の状態には、主に以下(1)~(7)の内容があり、このうち2つの値が分かると空気線図によって他の値を読み取ることができます。

  • (1)乾球温度
    乾球温度計で測った「湿り空気」の温度のことを乾球温度(DB)といいます。私たちが普段目にする「気温」がこれに当たります。
  • (2)湿球温度
    湿球温度計で測った温度のことを湿球温度(WB)といいます。
  • (3)露点温度
    湿り空気を徐々に冷やしていくと、ある温度で飽和(相対湿度100%RH)に達し、空気中の水蒸気が液体へ変化(凝縮)しはじめます。この温度を露点温度といいます。
  • (4)相対湿度
    ある温度の空気に含むことのできる最大水蒸気量と実際にその温度の空気に含まれている水蒸気量の比を単位「%」で表したもの。一般的に単に湿度というときは「相対湿度」のことを指します。
  • (5)絶対湿度
    湿り空気に含まれる水蒸気の質量を指し、乾き空気1kg に対する量として、単位「kg / kg」で表します。
  • (6)比エンタルピ
    湿り空気の全熱量を表します。
  • (7)顕熱比
    空気の状態変化で生じる熱量のうち、顕熱量(※1)が顕熱量と潜熱量(※2)を合わせた全熱量に占める割合のことを言い、単位「SHF」で表します。

※1 「顕熱」とは物質の温度変化のために使用される熱量のことで、ここでは空気温度が上下するのに必要な熱量と考えてください。
※2 「潜熱」とは物質の状態変化のために使用される熱量のことで、ここでは水が水蒸気になるのに必要な熱量と考えてください。

では実際に具体的な数値で、空気線図を読み取ってみましょう。

温湿度変化

※ gifアニメーションを使用しているため、読み込みに多少時間がかかる場合があります

温度10℃、湿度70%RHの空気を加湿なしで温度を30℃まで暖めると、相対湿度は20%まで低下することが分かります。また、絶対湿度は一定であることも読み取れます。このように、絶対湿度が一定の場合でも、乾球温度が上昇すると相対湿度は低下します。
下表は絶対湿度一定の条件下における温度と相対湿度の関係を表したものです。

絶対湿度一定の条件下における温度と相対湿度の関係

空気温度

絶対湿度(kg/kg)

0.002 0.004 0.006 0.008
0℃ 50% 100% ――― ―――
5℃ 38% 72% ――― ―――
10℃ 26% 52% 79% ―――
15℃ 19% 37% 56% 75%
20℃ 14% 27% 42% 55%
25℃ 10% 20% 30% 40%
30℃ 8% 15% 23% 30%

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