立体拡散蒸気噴霧装置
「スチームブレンダー」 SBAタイプ
製品 機能・特長
- 空調機組込
- ダクト接続
- 蒸気加湿ユニット
- 低温加湿
立体拡散蒸気噴霧装置は、全外気空調や外気冷房など、低温空気への蒸気加湿に対応する空調機器組込用・ダクト接続用蒸気加湿ユニットの蒸気噴霧装置です。当社では長年にわたる加湿の技術と経験を生かして、新機軸の蒸気噴霧装置の開発に着手、現場の問題点を解析しながら試験研究を重ね、さらにその性能を検証、独自の「立体拡散蒸気噴霧装置」として商品化いたしました。12℃から20℃といった低温域においても、噴霧蒸気の「凝縮・露つき」を回避し、確実な加湿をご提供します。
スチームブレンダーは、蒸気噴霧管とこれに対向するボックスディフューザ、蒸気ホースを接続する分岐ヘッダ、装置全体を支持するケーシングから構成されています。装置自体は空調機コイル下流側に設置し、供給蒸気を拡散噴霧します。
立体拡散蒸気噴霧装置「スチームブレンダー」 SBAタイプ ラインナップ
空調機組込用 SBA-Hシリーズ
SBA-Hシリーズはお客様の条件に合わせて設計・製作する空調機組込用の立体拡散蒸気噴霧装置です。供給蒸気源として、電極式蒸気加湿器、電熱式蒸気加湿器、間接蒸気式加湿器、ボイラ供給蒸気に接続することができます。
各シリーズの仕様については以下のとおりです。
【SBA-AHタイプ】
当社製蒸気式加湿器からの蒸気が隔壁接手を介して供給される隔壁接手接続仕様です。
【SBA-BHタイプ】
当社製蒸気式加湿器からの蒸気が分岐ヘッダを介して供給される分岐ヘッダ接続仕様です。
【SBA-CHタイプ】
ボイラなどからの蒸気が当社製減圧器を介して供給される減圧器付ヘッダ接続仕様です。
ダクト接続用 SBA-Pシリーズ
SBA-Pシリーズはパッケージエアコンや全熱交換器など、機器組込型 SBA-Hシリーズを組み込むことができない空調機器に対応する、ダクト接続用蒸気加湿ユニットタイプの立体拡散蒸気噴霧装置です。
標準品として、通過風量 480~1300m³/h、1130~3020m³/h、2260~6040m³/h に対応する3サイズを用意。
供給蒸気源として、電極式蒸気加湿器、電熱式蒸気加湿器、間接蒸気式加湿器、ボイラ供給蒸気に接続することができます。
各シリーズの仕様については以下のとおりです。
【SBA-APタイプ】
当社製蒸気式加湿器からの蒸気が隔壁接手を介して供給される隔壁接手接続仕様です。
【SBA-BPタイプ】
当社製蒸気式加湿器からの蒸気が分岐ヘッダを介して供給される分岐ヘッダ接続仕様です。
【SBA-CPタイプ】
ボイラなどからの蒸気が当社製減圧器を介して供給される減圧器付ヘッダ接続仕様です。
立体拡散蒸気噴霧装置「スチームブレンダー」 SBAタイプ 主な機能と特長
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実証試験から生まれたメカニズム
現場の問題分析と実証試験から生まれた独自の蒸気拡散噴霧機構は特許を取得(No.3605378)。蒸気噴霧管の噴出口はドレン飛散防止のための特殊加工を施し、さらに複数個にわたる噴出口からの噴霧蒸気量の均等化を図るため、長手方向の開孔ピッチを変える工夫がなされています。
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ボックスディフューザーの負圧誘引効果
各噴出口に対向するボックスディフューザは、そのテーパ形状により負圧誘引作用を起こして蒸気と空気の接触時間を長くとっています。
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スリットによるエアカーテン効果
ボックス間に設けたスリットによるエアカーテン効果は蒸気の相互干渉を抑えます。
スチームブレンダーの蒸気噴霧機構は、蒸気噴霧管とこれに対向するボックスディフューザ、蒸気ホースを接続する分岐ヘッダ類、装置全体を支持するケーシングから構成されています。
気流断面への加湿蒸気の均一噴霧とボックスディフューザによる誘引効果により、気流断面に対し均一かつ立体的な拡散噴霧を行い、気流と噴霧蒸気とを効率よく接触させるため、一般的な単管式の蒸気噴霧管に比べ蒸気噴霧2次側の距離を大幅に短くすることが可能です。
空調機器仕様・空気条件・風量・必要加湿量などのデータをご提示いただければ、蒸気の「凝縮・露つき」を回避するための加湿器二次側必要距離を算出、確実な蒸気加湿を提供します。
立体拡散蒸気噴霧装置「スチームブレンダー」と一般噴霧管の蒸気噴霧比較
下記の動画は、単管式蒸気噴霧管と立体拡散蒸気噴霧装置「スチームブレンダー」を同じ条件で噴霧した時の状態を比較したものです。スチームブレンダーで噴霧した場合、気流断面に対し均一に噴霧され、蒸気が白く見える部分は噴霧直後だけで、蒸気が空気にとけ込んでいることが分かります。
蒸気噴霧比較①
比較条件
【室内温湿度目標】 22℃ DB ・ 50%RH ・ 0.0082kg/kg
【使用条件】
加湿前温度・絶対温度 : 15.0℃ DB ・ 0.0019kg/kg
加湿後温度・絶対温度 : 15.9℃ DB ・ 0.0082kg/kg
風量 : 6,800m³/h(面風速3.0m/s) 蒸気噴霧量 : 52kg/h 目標飽和効率 : 64.5%
蒸気噴霧比較②
比較条件
【室内温湿度目標】 22℃ DB ・ 50%RH ・ 0.0082kg/kg
【使用条件】
加湿前温度・絶対温度 : 18.0℃ DB ・ 0.0019kg/kg
加湿後温度・絶対温度 : 18.9℃ DB ・ 0.0082kg/kg
風量 : 6,800m³/h(面風速3.0m/s) 蒸気噴霧量 : 52kg/h 目標飽和効率 : 50.3%
蒸気噴霧比較③
比較条件
【室内温湿度目標】 22℃ DB ・ 50%RH ・ 0.0082kg/kg
【使用条件】
加湿前温度・絶対温度 : 23.0℃ DB ・ 0.0019kg/kg
加湿後温度・絶対温度 : 23.8℃ DB ・ 0.0082kg/kg
風量 : 6,800m³/h(面風速3.0m/s) 蒸気噴霧量 : 52kg/h 目標飽和効率 : 33.8%
事例紹介
病院
病院空調は部屋の用途等により要求される室内清浄度が異なるため、選定の際には十分な注意が必要です。
手術室やICUなど要求清浄度が高い場合は、衛生的環境を考慮して蒸気式加湿の採用を推奨します。また、一般病棟や待合室では気化式加湿器を使用できますが、要求清浄度によっては使用できない場合もありますのでご注意ください。
電子機器工場
空気の乾燥により静電気がおこると、生産機械の停止による生産効率の低下や、コンピュータの回路の故障や誤動作を引き起こします。そのため年間を通じ、安定した湿度環境が重要となります。加湿器は気化式加湿器、または蒸気式加湿器が多く採用されています。
美術館・博物館
展示品や収蔵品が変質・変形しないよう、品質保持を目的に空気環境が調整されています。ただし、美術館や博物館などに収蔵される品は、古代から現代まで、そして絵画、彫刻、金属品まで多種多様です。そのため、一律に温湿度を決められるものではなく、きめの細かい対応が必要となります。
加湿器は、精密な湿度制御に対応する電熱式蒸気加湿器が多く採用されています。